Simplex Integrated Report 2024【統合報告書】
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ROEfor Clientfor Employeefor Society2030年代初頭を想定達成時期とおいた数値イメージ6売上収益1,000億円30%20%営業利益率長期成長戦略としての「Vision1000」日本におけるDXの潮流日本企業のDXは、欧米の後塵を拝している状況です。こうした状況を招いた背景の一つと考えているのが、1980年代に世界一と言われていた銀行間送金システムである「第三次オンラインシステム」です。バブル期以前において「第三次オンラインシステム」とえいば、テクノロジーで世界を牽引する日本の象徴的存在でした。しかし、便利すぎるが故にDXによる変革を必要とせず、これが結果として欧米に後れをとる原因となったのです。このことを反対側から見れば、日本にはまだまだ底堅いDX需要があるということになります。その需要を掴むことで、持続的な成長と高い収益性が見込めると信じています。ただし、DXに関して、多くの日本企業は重要な課題も抱えています。それは、システム内製化の限界です。日本企業のシステム内製化の意欲は高まっていますが、非テック系企業では高いハードルが存在しています。代表的なのは、IT人材の不足です。特にマネジメント層では、ITの進化に伴って、自社のビジネスモデルをどう変化させるべきかを判断できる人材が求められていますが、そうした人材の育成は、長い年月が必要となります。また、システムの内製化を阻害する構造的な課題もあります。特に非テック系企業においては、優秀な人材が本業に配属されることが多く、システム部門に配属されることが少ない傾向にあります。加えて、大企業になればなるほど、簡単には紐解くことができない重厚長大なレガシーシステムという課題も存在します。こうした複合的な要因から、システムの内製化は、多くの日本企業にとって挑戦的な課題となっています。シンプレクスグループが目指す姿こうしたDXの潮流のなか、私たちが一定の社会的インパクトを持つために、まずは売上収益1,000億円を目指すことが重要であると考えています。こうした考えのもと、持続的な企業価値向上を図るための長期成長戦略として、シンプレクスグループが目指す姿を定めた「Vision1000」を策定しました。さらにその中間地点として、2025年3月期からの3か年を期間とする中期経営計画「中計 2027」も併せて策定しました。Vision1000で目指す姿は3つあります。まず1つ目は、顧客企業にとって唯一無二の戦略的パートナーになることです。日本における口座数・シェア業界トップのオンライン総合証券であるSBI証券が、私たちを唯一無二の戦略的パートナーとして認めてくれたように、各業界をリードする企業からも同様に指名される存在を目指します。2つ目は、社員にとってシンプレクスグループがBiz×Techの圧倒的イノベーターであり続けることです。DX分野のイノベーションは、時代の最先端を行くものです。今、その挑戦のエキサイティングな魅力が多くの優秀な人材を惹きつけています。シンプレクスグループは、これからも優秀な人材を魅了し続けるために、Biz×Techの圧倒的イノベーターであることを志向し続けます。3つ目は、社会にとってDX時代のゲームチェンジャーになることです。DXに課題を抱える日本企業が増えるなか、システムの内製化は唯一の正解ではないという見解のもと、私たちがゲームチェンジャーとなって社会にインパクトを与えられる存在を目指します。Vision1000では、2030年代初頭を想定達成時期とし、売上収益1,000億円、営業利益率30%、ROE20%という数値イメージを掲げています。この水準に到達できれば、営業利益額という規模のうえで、いよいよIT業界のトップティアの背中が見えてきます。唯一無二の戦略的パートナーBiz×Techの圧倒的イノベーターDX時代のゲームチェンジャーVision1000シンプレクスグループが目指す姿

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