Simplex Integrated Report 2024【統合報告書】
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キャピタルマーケット高度なBiz×Techが求められる環境において人材育成と先端技術の獲得を促進銀行や総合証券等の金融機関向けに、機関投資家向けトレーディング・リスク管理プラットフォーム等のITソリューションを提供しています。14,13913,40214,3302022年3月期2023年3月期2024年3月期29前期比+1.3%金融ソリューション1997年シンプレクス大分類参入時期提供主体売上収益(百万円)キャピタルマーケットの歩みトレーディングやリスク管理など高度な金融技術を中心に、金融機関の価値増大を支援してきたユニークなテックファームであるシンプレクス。1997年の創業時から変わることのないコア領域であるキャピタルマーケットは、大きく3つのフェーズを経て深耕をしてきました。♯Phase1:証券業界への進出低レイヤーのソースコード開発から、ミッションクリティカルシステムの構築、24時間365日の運用保守までをフルスタックに実施できるテックファームとして価値を発揮。大手システム会社による海外パッケージのローカライズが中心だったなかで、シンプレクスの債券フロントシステムが証券業界のデファクトスタンダートとなるのに、そう時間はかかりませんでした。♯Phase2:銀行業界への展開2000年代からは銀行業界に本格展開しました。プレーン商品から少量多品種のエキゾチック商品まで、200種類以上の金融商品に対応したトレーディングシステムは、シンプレクスの代名詞となっています。リアルタイムにリスクを把握できる高速計算基盤など、高度な金融技術とエンジニアリング能力をベースに、銀行業界における知名度を高めていきました。♯Phase3:個別最適から全体最適への移行金融商品単位でシステム構築を担ってきた第二フェーズまでを個別最適とするならば、2013年のMBO以降の第三フェーズは、まさに全体最適への挑戦でした。ITロードマップの作成に関与するため、プロアクティブなコンサルティングセールス体制を構築。さらに、2008年のリーマンショックに端を発するリスク管理強化に関する規制対応も、大きなターニングポイントとなりました。高度なリスク管理に課題を抱えていた複数の大手銀行と大手証券会社に向けて、トレーディングやリスク管理を統合的に行えるワンプラットフォームを提供することで、表面的なDXではない真の業務変革を実現しています。今後の成長戦略キャピタルマーケットの主要顧客である大手金融機関は、未来を見据えた長期的なIT投資を通じて競争力を高め、リスク管理を強化しています。私たちシンプレクスグループは、こうした金融機関と共に歩み、キャピタルマーケットの発展に貢献するという強い信念を持っています。この信念のもと、今後もプロアクティブなコンサルティングセールスを継続し、ワンプラットフォームの提供に資する重要案件の獲得に注力していきます。中計2027においてキャピタルマーケットの成長率を控えめに設定しているのは、他の成長領域にエンジニアリソースを集中的に配分するための戦略的な判断です。しかし、ウルトラローレイテンシー、大規模クラウド、AI、そしてweb3等、デジタルケイパビリティの進化をもたらすキャピタルマーケットは、依然として私たちのコア中のコア領域であり続けます。また、高度な金融工学のみならず、高次元な業務理解能力が求められる環境ゆえに、ハイブリッド人材を育成する絶好の領域でもあります。シンプレクスグループは、これらの技術革新と人材育成を通じて、キャピタルマーケットにおける顧客価値を最大化し、持続可能な成長を目指していきます。[参考]キャピタルマーケットに関するよくあるご質問Q. ワンプラットフォームの提供価値とは何かQ. ワンプラットフォームの業績への貢献はどう捉えるとよいかQ. ワンプラットフォームの開拓余地はどれほどかQ. MBO後にブレイクスルーを果たせた要因は何かQ. 中計2027の成長率を控えめに設定しているのはなぜかQ. 中長期的にどの程度まで売上拡大を見込めると考えているか  

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